沖田総悟のべらんめえ言葉

べらんめえ口調……江戸下町の職人などの間で使われた、威勢のいい荒っぽい調子の言葉。巻き舌気味で喋る。
そういえば、最近ではコテコテの江戸弁を使う人が減ってきているらしいですね。

銀魂キャラ中で、なんとも特徴的な喋り方をする沖田。あれは「べらんめえ言葉」といいます。私はあの口調が熊本弁に並び大好き(というか方言やなまりが大好き)なんですが、言葉使いが変にになっている人をたまに見かけます。そういうものを見つけると、「ここ、変ですよ」などとコメントしたくなるんですが、私はシャイなもんですから、いつもそのまま見て見ぬフリを決め込んでいました。
しかし気になって気になって落ち着かない。これじゃいかんということで、どうにかできないかと考え、とりあえず、ここに簡単に文法(と呼べるかどうか)を書いてみる事にしました。私の駄文が役に立つかどうかはわかりませんが、少しでも参考にして頂ければ幸いです。べらんめえ口調を正しく使って、リアルな沖田、江戸っ子を目指しましょう。

※京極夏彦著/「巷説百物語」シリーズを教科書に使わせていただきました。

※「べらんめえ」とは、相手を罵る言葉です。「馬鹿め」を意味する「べらぼうめ」が変化したもの。江戸弁を象徴する程の当時の流行り言葉だったんですかね。





◆発音の変化
語尾など以外の基本は簡単、銀さんみたいに喋ればいいんです。品よく、なんて考えちゃァいけません。そしてべらんめえ言葉にも独特の言い回しがあります。「さようなら」が「あばよ」になったり「殴る」が「ぶん殴る」になったり「始める」が「おっ始める」になったり「承知した」が「がってんだ」になったり・・・。
「江戸っ子は気が短い」とよく言いますが、べらんめぇ言葉はその「短気」が端的に表れた言葉でもあります。たとえば、「ま」のような上唇と下唇をくっつけるまだるっこしい発音をあまりしないんですね。助詞も母音だけで済ませてしまったり。例はこんな感じ↓です。

・連母音[アイ]、[アエ]、[オイ]が[エー]に変化
 …無い→ねぇ、お前→おめぇ、太い→ふてぇ など

・連母音[ウイ]が[イー]に変化
 …寒い→さみい、悪い→わりぃ など

・助詞の母音のみ発音
 …俺は→俺ァ、これは→これァ、それは→それァ など


これで全部ではないんですが、まァこの辺は大体わかりますよね(適当)。

※ちなみに、江戸弁は標準語ではありません。今 東京に住んでいる方など「今自分が使っている言葉は標準語である」と信じている人もいるようですが・・・。


◆語尾
「~でさァ」と「ですぜ」やたらと使ってしまい、そのせいで文が壊れてしまっている場合が多いようです。べらんめえ口調は口癖でなくて「なまり」です。方言です。語尾はなにもこの二つだけじではありません。自然になっているかどうか、できた文章を読み直してみてください。
それと、「でさァ」と「ですぜ」は見てわかる通り、敬語です。沖田だって「でさァ」などは上司と目上の人間に対してだけ使っています。上司や銀さんと話しているシーンが多いんで、その印象が強くなているせいでしょうか、その手の間違いが多いのは。敬語は正しく使い分けましょう。

左が敬語で、右がタメ語。カッコ内は標準の敬語です。
「~でさァ」・「~でィ」 ( 「~ですよ」 )※相手に肯定できる事柄を言う時
「~ですぜ」・「~だぜィ」( 「~ですよ」 )※相手に注意を促す、同意を求める時
「~ですかィ」・「~かィ」 ( 「~ですか」 )※疑問系
「~しやす」(「~します)
「~しやしょう」(「~しましょう」)
「~くだせェ」←「~くれィ」 ( 「ください」 )


※語尾の「~だぜィ」や「~ですねィ」の「ィ」は言ってるか言ってないかわからないくらいの、尻下がりの発音で。はっきり発音すると、粘っこくて気持ち悪い感じになるので注意。


◆実践
(私の)家での会話をべらんめえ口調にしてみましょう(主に妹のセリフを適当にチョイス)。敬語版も一緒に。

・「消しゴム借してくれない?これもうボロボロで使えないよ」
 →消しゴム借してくれィ。これァもうボロボロで使えねーや。
   消しゴム借してくれやせんかィ。これァもうボロボロで使えやせん。

・「いや違うよ明日は行かない。だって映画の公開16日だよ」
 →いや違ェよ明日ァ行かねェ。だって映画の公開16日だぜィ。
   いや違いまさァ明日ァ行きやせん。だって映画の公開16日ですぜ。

・「そういう事言わないでよやる気なくなるじゃん。」
 →そういう事ァ言うんじゃねーよやる気なくならァ。
   そういう事ァ言わねーでくだせェやる気なくなりまさァ。

……コテコテにするとこんな感じ。
じゃあ最後にお遊びを。第七十七訓2ページ目の新八をべらんめえ口調にしてみましょう。

「ホント 世の中腐ってますぜ
 どいつもこいつもやれ同棲だ できちゃっただ物事の筋道ってェのが揺らいできてまさァ
 古き日本の美徳はどこいっちまったんでしょ?」
「確かにカビの生ェた古くせぇ考ェかもしれねーですが
 やっぱり人間てなァ自分を律する精神がなくなったらおしめぇじゃねーですか」


※色々書きましたが、一番いい勉強法は、『水戸黄門』でも『銭形平次』でも『暴れん坊将軍』でも、とにかく時代劇を見る事。『男はつらいよ』でもいいですね。個人的には『銭形平次がおすすめ。「こういう風に喋るんだ」と理解し易いと思います。
※標準語でも言える事ですが、女性の江戸弁は男性のものとは少々違います。これがまた色っぽいんですよ。『水戸黄門』のお銀さんが使ってましたね。銀魂では・・・・お登勢さんとか。
※説明が不十分で分かり難かったり、訳が間違っていたら遠慮なく言ってください。


・・・説明する事がいかに大変か、良ォッくわかりましたよ。
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by shougetu16 | 2005-07-15 15:43 | 銀魂談義(その他)

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