墓場鬼太郎 第11話「アホな男」感想

「人間世界で生きてくのも、楽じゃねぇなぁ」


でも、そうそう退屈させてくれないから困ったもので。

『墓場鬼太郎』もついに最終回。不気味でドライで自分の腹に正直でしかしどこか可愛気のあった鬼太郎君とも、目玉の親父とも、ねずみ男とも、もうお別れかぁ・・・。というかサブタイトルが素敵。





あの世の住人が憧れていたこの世は実は恐ろしい苦界で、
この世の住人が恐れていたあの世は実は楽しい世界だったというオチ。
正に「おばけにゃ学校も試験も何もない!病気も何もない!」という歌の通りですね。
「そんな事は無いよ、この世にも楽しい事はあるよ」なんていう
当たり障りも無ければ面白くもないフォローが一切入らないのが非常に痛快。
漫画で読んだ時は 風呂場に響く死の誘いに一等ぞっとしたものですが、
それ以上に「この世は戦いなのよ うんと働いてくださいね 死ぬまで」
水木の背中に張り付いて呪うように囁く奥さんが恐ろしかった・・・。
奥さんの形相が恐ろしいんじゃない。「死ぬまで」という途方も無い時間に慄然とするんだ。

勉強したくない。仕事したくない。病気になりたくない。死にたくない。
あれがやりたい。これもやりたい。でも時間が無い。
全ての束縛から解放された“おばけ”という存在は、万人の理想なのだなぁ。

この世は苦しい・・・。

人間世界で生きてくのも楽じゃないとボヤく鬼太郎に対し、しかしねずみ男は言う。

「でも退屈もしねぇよ」

言って、鬼太郎とねずみ男はかすかな笑い声を響かせながら街へ消えていく。

最後の最後に入った、僅かな僅かな”この世”へのフォロー。
今を生きねばならない私達は、これで「それもそうだな」とちょっとだけ救われる。
これは原作に無いシーン&セリフですが、ただ現実を諦観するだけじゃない終わり方に
アニメなりのメッセージ性が深まっていたと思います。
(そもそもこの作品の主張は「この世は辛い」じゃなく「おばけは楽しい」じゃないだろうか。)

退屈が無いのは”この世”のただ1つの良いところかな。


でもなれるものなら、私もおばけになりたいよ。
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by shougetu16 | 2008-03-21 14:54 | 私的瑣談(雑記)

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