~洞察する数寄者の剣士~ アニメ105話感想補足・2

昨日はあまりにもひどいネタを投下してしまったのでその埋め合わせのつもりで…

先週「激昂する沈着の志士」をアップしたのち、お茶の木さんよりメールにて大変興味深いご意見をお寄せ頂きました。とても丁寧で面白く拝読できたので、河上万斉強化月間の一環としてがっつり使わせて頂く事にしました。語っとくなら今しかないもの!「沈着の志士」は半分ウケ狙いでしたけど、今回のはも少し真剣に書いてます。特別何か新しい発見がある訳でもなく、ただ河上万斉というキャラをアニメの場面場面を振り返りながら(多少銀さんの事も交えつつ)じっくりどっぷり掘り下げて見ていきたいと思います。取り留めない上にオチもないので悪しからず。





※青字はお茶の木さんのメールからの引用部分です

そもそも、万斉はなぜ銀時と戦ったのか?
これは前にも書いたことあったような無かったような(頭の中で思い付いて満足だけして書いてないかもしれない)、定かでないので改めて書いときます。銀さんVS万斉は、まず万斉が銀さんをパトカーから落としたところから始まるのですよね。何故、銀さんだけを狙って落としたのでしょうか?邪魔者の排除という事を考えても、あの列車はじきに爆破される予定なのだから、銀さんをわざわざパトカーから落とす必要はありません。鬼兵隊の目的は「真選組の壊滅」であって、全くのシナリオ外である坂田銀時の事は優先事項ではない。また、たとえ坂田銀時の存在が計画にとって脅威であるとしても、前述の通り列車の爆破を待てば良いのです。これは万斉が銀さん個人に用があった、という事を想像できます。その主な理由、用と思われるのが次の2つ。


1.「剣客として」の坂田銀時への興味
まず思い出されるのが、紅桜編のラストで呟いていた「一手死合うてもらいたいものだな」という言葉。音にのみ聞く攘夷戦争での“白夜叉”の働き、また紅桜編にて足下に見下ろした凄まじく圧倒的な剣技。その坂田銀時が、今 目の前にいる。万斉はかねてより、剣客・坂田銀時との真剣勝負を望んでいました。またとないチャンスです。なので、

>人斬りとしても、高杉の盟友(配下って感じがしないです、万斉さんは)としても、
>ここは戦ってみたいなぁ、と思った。
>そして戦うなら手負い状態などもってのほか。それが剣客としての矜持。


侍ならば誰もがそうであるのか、銀さんを見てるとよく分かりませんが、真面目な性分が伺えます。


2.「人として」の坂田銀時への興味
>1が純粋に剣の腕についての興味とすると、もう一つは内面、というか思想的な部分への興味。

まずあの場に銀さんがいた事が全くの予想外だったでしょうし、少なからず驚いたのではないかと思われます。ある時は桂と組んだり、またある時は真選組に協力したりと、銀さんの行動は傍目には意味不明で節操が無いように感じられ(「坂田銀時」と呼んでからわざわざ「いや白夜叉」と言い直したのは、「かつて攘夷戦争で高杉らと共に戦った白夜叉ともあろうものが」という含みでしょう)、不可解さと興味は募るばかり。

>万斉さんは、卓越した人間観察眼を持っています。
>あんな瞬時に、人の精神状態やら性質やらを見抜いて、的確に音楽に喩えることができるのは、
>一瞬の斬り合い、命のやり取りを重ねてきたからなのかな、と思いますが、
>万斉さんは、その自分の「人を見る目」に自信があるのではないでしょうか。
>その「自分の目」で、坂田銀時という人物を見てみたいなぁ、と思った。


そして銀さんと向かい合っての開口一番は、「おもしろい音を出すなぁ、おぬし」。その炯眼で、坂田銀時は面白そうな人物だと直感したようです。

※「人の魂の音」が分かるって殆ど特殊能力の域じゃないか?(実際に聞こえるものなのかはともかく)
※この「人を見る目」(と耳?)があるからプロデューサーとしても敏腕なんでしょうね



「走る」銀時と「見る」万斉、二人の温度差
あの場で万斉がわざわざ銀さんに絡んだ理由は、上記のように推測されました。

>この2点は、どちらも万斉さんの私情、というか、趣味のレベルの話です。
>だから、といっては何ですけど、このときの万斉さんには、
>「ここで絶対に坂田銀時を殺さなければ」という切迫感はなかったのではないかと推察します。

>さて、銀さんと万斉さんが対峙し、二人が会話します。この段階では、どちらも平常心。
>生きるか死ぬかの戦いが始まりそうですが、二人とも場慣れしていますから、お互いボケをかます余裕すらあります。

>ところが列車が爆発すると、銀さんは平常心ではなくなります。対して万斉さんは、平常心。
>平常心の万斉さんは、ここでアツくなっている銀さんを結構『冷静に』観察していたのではないかと思います。
>しかし、アツくなった銀さんは、万斉さんの予想を超える物凄い勢いで斬りかかってきた。
>(アニメオリジナルの台詞ですが、「リズムが見えない」というのは、瞬時に様々なことを見抜く目を持つ、
>しかも通常ならば音楽に喩える余裕すら持つ万斉さんにとって、結構ショックなことだったのでは。)


列車が爆発した事は、銀さんにとっても大変な危機だったのだと察します。銀さん自身の危機ではなく、銀さんの拠り所、「護るべきもの」の危機です。常に「護るべきもの」を周囲に定め、生き甲斐を自分の“外”に見出している銀さんにとって、何よりも大事な腐れ縁が、絆が、無くなってしまう。それだけはいけない。断じてならない。この時の銀さんは非常に切迫していて必死で切実で、恐らく頭に血が昇っている状態。対する万斉は、ここではそのようにアツくなる理由もないから、冷静に銀さんを観察していたのでは?戦いながら、「坂田銀時」という人物を更に見極めようとしていたのでは?しかし、銀さんのリズムは…太刀筋の癖は、呼吸は見えなかった。何故なら「酔っ払いの鼻歌」だから。逆上した酔っ払いは万斉の手に余ったのです。

しかしここで全国の万斉ファンは嘆息を漏らしていました。これじゃあ原作よりも万斉が弱く見える…!

>おそらく、万斉さんが、「アツくなっている銀さん」に対抗するには、
>銀さんと同じくらい「アツく」なる必要があるのでしょうが、万斉さんは今そこまでアツくなれていない。
>その差が、アニメでは、少々圧され気味、という描かれ方になったのではないでしょうか。

> きっと、あの時、冷静さを残す万斉さんの方が、精神的に余裕があった分、「受け流す」行為になったんですよ!
>あれは、彼の本気の戦闘ではないはず!


ああああああ。これは…目から鱗でした。あの万斉は本気ではなかった…!? 考えてみればそうなのか。銀さんは万斉らの事など殆ど眼中に無く、とにかく一刻も早く列車に向かおうとダッシュしている、という風に見えます。万斉は銀さんを先に行かせるまいと通せんぼする。銀さんは障害物をただ無我夢中で薙ぎ払う…。あの戦闘はそういう様相でした。。(銀さんが「どけェ!コノヤロー!」と突きを繰り出す際に目許が黒く塗られていたのが「眼中に無い」「無我夢中」の演出か。)この有様は万斉が真に望んでいた、何も邪魔のない真剣勝負とは少し違う形だったのかもしれません。だって銀さんがこっちに気を向けてくれてないんだもの。だからちょっと待て拙者と勝負してからにしろと思ったか、もっと話をしたいと思ったか、とにかくあの時点で万斉は、銀さんを殺そうとしていたのではなく、引き止めようとしていたのだ、という見方ができるのです。(三味線の弦も、攻撃ではなく拘束を本来の目的としているものと見えます。)だから、受け身一辺倒にならざるを得なかった…!…そう思っても、やっぱり見たかったですよね 銀さんを圧してる万斉殿…。

※互いに熱くなっていようがいなかろうが結局銀さんの方が強いって事になりそうな気が



隠された素顔の内で徐々に起きていた変化
>そのまま、二人の心情バランスは変わらないかに見えますが、
>万斉さんは、思いのほかアツかった坂田サン、から
>少しずつ影響を受けていたのではないでしょうか(歌に聞き惚れつつあった?)。
>ヘリに突っ込まれた後、アツい思いを銀さん相手にぶつけたのは、
>銀さんもまた相当にアツい思いを万斉さん相手にぶつけていたこと、
>その思いを受けて万斉さんも、水面下では結構アツくなっていたことも背景にあるのではないでしょうか。


なーる…(唸る)。銀さんのアツさが万斉にも少しずつ伝染していっていた、という事ですね。確かに、水面下で多少なりともアツくなっていなければ、あそこまで唐突に感情爆発していなかったのかもしれない。あの時万斉を激昂させた理由がひとつだけなら、恐らくそれを自制する事ができたのではないか。「坂田銀時が戦う理由」についても、あんなに捲くし立てるようにではなく、それまでのようにゆっくりと問いかけたのではないか。その内面でじわじわと膨れ上がっていた昂揚感が、銀さんにヘリに叩き込まれた事で、一気に噴出したのだろうと、いう見解でございます。実際は理由なんてもっとたくさんあるんでしょう。時刻とか暦とか天候とか色々…。その最たるものが今まで挙げたものだろうという事で。

※「貴様は亡霊でござる」から口調がゆっくりめに戻ったのは、少し平静を取り戻し始めていたから?



今回の話は以上です。どうまとめれば良いか分からなくて投げっ放しになっちゃいましたが、ただひたすらに万斉殿についてだけ思いを巡らせる時間は非常に楽しかったです。まだまだ気になるところのある人物なので、また唐突に何か語りだすかもしれませぬ。お茶の木さん、ありがとうございました!


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by shougetu16 | 2008-05-17 12:15 | 銀魂活画(アニメ)

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